スッと寝たけりゃ腹部にあずき_起立性調節障害と睡眠

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「お腹をほんのり温める」だけで、自然と眠りやすくなる

オランダの研究チームが2005年に発表した論文『Cutaneous warming promotes sleep onset(皮膚の温熱刺激は入眠を促進する)』が参考になったので紹介。

この研究は、健康な若者を対象に、寝る前に体を軽く温めるとどうなるかを調べたものです。方法はとてもシンプルで、被験者の背中や腹部などを“ほんの少し”温かくするだけ。その後、どれくらい早く眠れるか、皮膚や体の深部の温度がどう変化するかを測定しました。

その結果、皮膚の温度をわずかに上げるだけで、入眠までの時間が有意に短縮されたのです。

ポイントは深部と皮膚の温度差

人は眠りにつくとき、皮膚の血管を広げて、空気との温度差を利用して熱を放出し、深部体温を下げるという自然なプロセスを経ます。この体温調節がうまくいくと、脳は「もう眠っていいよ」と判断し、スムーズに眠りに入れるのです。

逆に、皮膚温が低いままだと、体の深部の熱が放出されず、脳が「まだ起きてる時間かも?」と勘違いしてしまうのです。

つまり、体幹部をほんのり温めて、皮膚温をわずかに上げることが、入眠のスイッチになっているんですね。

腹部を温めると、不快感を覚える人もいたそうですが、実際の入眠潜時は早くなっていたというから面白いです。

起立性調節障害の睡眠障害にも役立つ

この研究は、特に起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation: OD)を持つ我々にもヒントになるかもしれません。

ODの方は自律神経の乱れから、夜眠れなかったり、朝起きられなかったりといった睡眠の問題を抱えやすいです。身体がリラックス状態に入りづらく、交感神経が優位のまま寝ようとしても、なかなかスイッチが切り替わりません。

でも、今回の研究のように「皮膚をやさしく温める」というアプローチなら、薬に頼らず自然に自律神経を穏やかに整えることが期待できます。

今夜からできる「温め習慣」

では、どうやって皮膚を温めればいいのでしょうか?

おすすめは以下のような方法です:

• 寝る90分前にぬるめのお風呂(38〜40℃)に浸かる(湯船から出る際は、水圧が無くなることと起立動作の影響で血圧低下・脳血流低下が起こりやすいです。十分注意してください。

• 布団に湯たんぽ電気毛布を使ってあたためる(四肢ではなく体幹部を温めてください)

温熱シートホットアイマスクを使うのも◎

ポイントは、体幹部をほんのり温めることです。あまり高温だと逆効果なので注意してください。

ちなみに私はあずきのちからを目と下腹部に置いて眠っています。

ではまた!

Roy J. E. M. Raymann, Dick F. Swaab, Eus J. W. Van Someren (2005), ʻCutaneous warming promotes sleep onsetʼ, American Journal of Physiology, Regulatory, Integrative and Comparative Physiology, 288:6, R1589-R1597.

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