知ってて損なし 人と衝突しない話し方(起立性調節障害)

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私が起立性調節障害だと診断されてからやって良かったこととして、

これまで、説明できるようになることの重要性とメリット、説明するにあたって事前に説明の型を準備しておくことの有効性について、私自身の例を交えながら紹介してきました。

そこで今回は、前回の終盤で述べたように、話す順番の重要性についてお話ししていきたいと思います。

感情的な衝突を避け、話が伝わる順番

では早速ですが、その順番とは、事実-感情-要求です。

この順序は、マーシャル・ローゼンバーグ博士によって提唱された非暴力コミュニケーション(Nonviolent Communication: NVC)などの分野でコミュニケーションにおける効果的な伝え方として取り扱われています。

「事実 → 感情 → 要求」の構造の意義

この順序で伝える方法は、話し手が相手に対して明確かつ共感的に自身の意図やニーズを伝えるための技法です。

衝突や誤解を避けつつ、相手に自分の立場を理解してもらい、協力を得ることを目的としているんですね。

ではそれぞれのフェーズについて見ていきます。

事実

まず具体的で客観的な「事実」を述べることで、主観的な解釈や評価を避けます。

これにより、相手が防御的になるのを防ぎます。

例: 「少し前から吐き気とフラつきがあります。」

感情

次に、その事実に対して自分が感じた感情を伝えます。感情を共有することで、自分の内面的な体験を相手に理解してもらいやすくなります。

例: 「授業中なのに吐いてしまう、失神してしまうのではないかと不安を感じます。」

要求

最後に、具体的な「要求」を明確に伝えます。この段階で、相手に望む行動や解決策を提示します。要求は具体的で実行可能な形にすることが重要です。

例: 「ゲロ袋を用意してもらえると助かります。少し横にならせてもらえると助かります。」

この順序が効果的なのはなぜか?

(1) 防御を回避する

いきなり感情を相手にぶつけたり、要求を伝えると命令的で相手は不信感や抵抗が生じ得ますよね。そこで最初に客観的な事実を提示することで、そういった感情を低減します。

(2) 共感を引き出す

感情を共有することで、相手に自分の気持ちを理解してもらいやすくなり、共感的な関係を築く助けとなります。

(3) 明確な解決策を提示する

具体的に要求を伝えることで、相手がどうアクションをすればよいかをイメージでき、行動に移しやすくなります。

この段階が「少し手を貸して!」などと具体的でないと、相手はどう行動すればよいかが分からず混乱してしまうかもしれません。

この話す順序(構文)は起立性調節障害のあるある状況に限らず、色んな局面で日常的に有効なコミュニケーションスキルだと思います(開発時にODを想定していないんだから、そりゃそうですよね。)

色んな関係性・状況でも使える構文

少し他の状況での使用例も見ておきましょう!

(1) 日常生活での例

事実: 「昨日、あなたが約束の時間に遅れてきました。」

感情: 「私は待っている間、とても不安でした。」

要求: 「次回から、連絡をいただけるとありがたいです。」

ついつい「なんで連絡くれへんの?遅れるなら言うてよ!」っていってしまいそうな状況ですよね。

そのように言ってしまうと相手も反撃に出てきそうです(例え悪いなと思っていたとしても)

(2) 学校での例

クラスメートが毎回グループ活動中に他人任せにしている状況にて、

事実:「今回のグループ課題でも、あなたが資料を準備する役割を引き受けたけれど、準備ができていませんでした。」

感情:「そのことで、私は少し困ってしまいました。みんながスムーズに作業を進めるのが難しかったです。」

要求:「次回から、あなたの役割を事前に準備してくれると嬉しいです。必要であれば一緒に計画を立てることもできます。」

たとえ相手に非があったとしても、いきなり感情や要求、批判を行ってしまうと喧嘩に発展する未来が想像できてしまいます。

この方法が抱える課題

この構文を駆使しても、いつもうまくいく訳ではなく、機能しないこともあります。

以下ではそのようなパターンを見ておきましょう。

そもそも自己認識できていない

この方法は効果的な一方で感情をうまく言語化できない場合や、自分の要求を明確に表現できない場合には、使うのが難しいんです。

それでもって、ODっ子に多いとされている過剰適応性格を幼少期から抱えていて、感情を抑制する習慣を持つ子にとっては、自分の感情やニーズを把握し言語化するのが苦手な傾向にあるように思います。

(私も未だにそうで、改善に取り組み中です。)この問題については別の機会に取り扱いたいと思います。

相手が要求を拒否する場合

シンプルに要求が通らない場合もあります。

その際は、追加の交渉や代替案を検討する必要がありますね。

3つの重要なポイント

「事実 → 感情 → 要求」の順序は、話し手が自分の内面的な体験(感情とニーズ)を明確にし、対話を通じて相手と調和を図ろうとしているんですね。

その為、このコミュニケーションの重要なポイントは以下のように要約できます。

自己認識: 自分の感情やニーズを把握し、それを適切に表現する能力を重視する。

相互尊重: 相手に配慮しながらも、自分の立場をしっかりと伝える。

協働: 問題解決を目指して建設的な対話を促す。

まとめ

「事実 → 感情 → 要求」の順序で伝える方法は、非暴力的で効果的なコミュニケーションを取るための構文であって、相手と信頼関係を築き、衝突を最小限に抑えながら解決策を見つけるのに役立つんですね。

このアプローチは、日常生活や、教育現場など、さまざまな場面で応用できますんで、身に付けておいて損はないかと思います。

ではまた!

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