はじめに
名言や偉人の格言というのはその人の人生が反映されていて面白いです。
人は苦境に立たされると視野が狭くなりがちですが、そこに新たな視点を与えてくれ、苦境を乗り越えるヒントをくれたりもします。
これまで、起立性調節障害(OD)に認知行動療法(CBT)は有効で、認知行動療法と名言は親和性が高いので、いろんな名言を知ることで回復のきっかけになり得ることを説明しました。
CBTの手法の一つに〈希望の言葉〉を集め、持ち歩くといった方法があります。ネガティブな呪いの言葉が脳内に流れたら、集めた希望の言葉を見返し、非機能的な(何も生み出さない)思考を、機能的な思考に修正していこうという訳です。
私自身も実践している方法ですが、自分で希望の言葉を生み出すのはそう容易いことではないので、以下に紹介する名言・格言にヒントを得つつ、自分が希望を抱ける言葉に編集し、自分のものにしていってもらえたらと思います。
「あなたが見る世界は、あなたの心の反映である。」マハトマ・ガンジー
マハトマ・ガンジー(Mahatma Gandhi)
マハトマ・ガンジー(1869-1948)は、インド独立運動の指導者であり、非暴力・不服従の哲学を広めた偉人です。彼は「現実は自分の心が作り出すものだ」という思想を持っていました。
この言葉は、「私たちが認識している現実というのは、自分の心の持ちよう(解釈の仕方)で変えられる」という考えを示しています。
ODに対しての有効性
ODの人は、「この病気のせいで人生が台無しだ」と思い込んでしまうことがあります。私も自分自身が高校生の時は「私は高校の青春を失ったんだ」と考えることがしばしばありました。
しかし、この言葉は「自分の考え方(解釈の仕方)次第で、見える世界は変わる」と気づかせてくれます。
CBT的視点
CBTでは、「認知の歪み(Negative Bias)」を修正することが重要です。「今の状況は最悪だ」と決めつけるのではなく、「この経験から何か学べるかもしれない」と考えを切り替えることで、悩みすぎることなく、建設的に思考するができます。
「完璧でなくても大丈夫。大切なのは前に進むこと。」セルマ・ラーゲルレーヴ
セルマ・ラーゲルレーヴ(Selma Lagerlöf)
セルマ・ラーゲルレーヴ(1858-1940)は、スウェーデンの作家であり、女性として初めてノーベル文学賞を受賞しました。彼女は生涯を通じて「少しずつでも前に進むことの大切さ」を説き続けました。
ODに対しての有効性
ODの人の多くは、3褒められても、1指摘されれば、その1が気になってしまうタイプが多いと思います。もちろん、指摘された1について建設的に考えることは重要ですが、出来た3を無視するほど気にしてしまうのは不健全です。そんな時にこの言葉は「完璧じゃなくてもよくて、チャレンジして少しでも前に進めればいいんだ」と教えてくれます。
これまでに、
完璧じゃなくてもいいんだよ、そもそもどんな人間にも完璧なんて不可能だよ、それより、チャレンジして、失敗の中から学び、成長していることが重要なんだよ!
といったメッセージの格言・名言を取り上げることが多かったと思います。
これは私自身が完璧主義改善計画を実行中なのと、ODの人に「過剰適応的な完璧主義者」が多くいることが主な理由です。
また、こういった内容の格言を多くの偉人が残しているということは、偉人の多くも完璧主義に陥った上で、意識的に建設的な思考を構築してきたことが垣間見れます。
完璧主義は不安を増幅させ、挑戦の機会を奪う厄介な思考なので、皆さんも一緒に、早めに対策していきましょう!
ではまた!!

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