起立性調節障害と自律神経の基礎知識|セルフケアの前に知っておきたいこと

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「朝、信じられないくらい体が重くて動けない…」「体を起こしても立ちくらみ、動悸、吐き気で学校に行けない…」

私の高校時代は、そんな毎日でした。

起立性調節障害は、自律神経がうまく働かず、主に血圧や心拍、脳血流などの循環系調節が破綻することで起こる疾患です 。頭痛、吐き気、疲れやすさや集中力の低下など、日常生活にも大きな影響を与えます。

自律神経のセルフケアを取り入れることで、すぐにODが治るわけではありません。

しかし自律神経について知り、整える努力をすることは、症状を和らげたり、治療をしていく上で重要です。たとえば、運動・食事・生活習慣・呼吸法など、ちょっとした工夫が体調を良くする手助けになるのです 。

今後、科学的に効果が期待できるセルフケアや実際に自分が効果を実感しているセルフケアを紹介していきます。「少しでも今より元気に過ごしたい!」と思う方に役立つ情報をお届けするので、ぜひチェックしてみてください。

これからセルフケアを紹介していくにあたって、まずは自律神経とは何か、ODとの関係はどんなものか?について簡単に説明しておきます。

自律神経とは

私たちの体には、自分の意思とは関係なく働き続けているシステムがあります。それが自律神経です。心臓を動かしたり、血圧を調整したり、体温を保ったりと、生命維持に欠かせない働きを担っています。

自律神経は、交感神経副交感神経の2つから成り立っています。

1.           交感神経:活動モード(アクセルや太陽と比喩されます)

•            心拍数・心収縮力を上げる

•            血管を収縮させて血圧を上げる

•            筋肉を緊張させる

2.           副交感神経:リラックスモード(ブレーキや月に比喩されます)

•            心拍数を下げる

•            血管を拡張させて血圧を下げる

•            消化を促進する

起立性調節障害と自律神経の関係

1. 血圧の調整がうまくいかない

通常、人が立ち上がると、重力の影響で血液が下半身に一時的にたまります。このとき、交感神経が働いて血管を収縮させ、心拍数を増やし、血圧を維持します。しかし、ODの方はこの調整が遅れたり、過剰に働いたりすることで、以下のような症状が出ます。

血圧が急激に低下(起立直後性低血圧) → 立ちくらみ、ふらつき、失神

心拍数が異常に上昇(POTS) → 動悸、息切れ、疲れやすさ

これは、自律神経が本来の調節機能を十分に発揮できていないために起こる現象です。

2. 朝が特に辛いのはなぜ?

ODでは朝の時間帯に症状が強く出ることが多いです。その理由のひとつが、寝ている間は副交感神経が優位になることにあります。

朝起きたとき、本来なら交感神経が働いて血圧を上げ、活動できる状態にするのですが、ODの方はこの切り替えがスムーズにいきません。そのため、血圧が低いままで起きられず、倦怠感や頭痛が続くのです 。

3. ストレスが影響する理由

自律神経はストレスの影響を受けやすく、心理的な負担が大きいと交感神経が過剰に働き、心拍数の増加や血圧の乱れを引き起こします。また、慢性的なストレスがあると、副交感神経の働きが低下し、疲れが取れにくくなったり、胃腸の不調を引き起こしたりすることもあります。

まとめ

自律神経は「交感神経(アクセル)」と「副交感神経(ブレーキ)」のバランスで体を調整するシステム

ODでは、このバランスが乱れて血圧や心拍数の調節がうまくいかず、立ちくらみや動悸、朝起きられないなどの症状が出る

特に朝が辛いのは、副交感神経優位の状態から交感神経への切り替えがスムーズにできないため

ストレスも自律神経の働きを乱し、症状を悪化させることがある

このように、自律神経の乱れがODの症状と深く関わっていることがわかります。では、このバランスを整えるにはどうしたらいいのでしょうか?

次回以降のブログでは、自律神経を整えるための具体的な方法(呼吸法・運動・食事・生活習慣の工夫など)を紹介していきます!

ではまた!

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