起立性調節障害で親子仲が深まる

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前回はマーシャル・ローゼンバーグ博士によって提唱された非暴力コミュニケーション(Nonviolent Communication: NVC)で扱われている〈事実-感情-要求〉の構文について紹介しました。

この構文は、相手との間で何らか問題を抱えている時でも、非暴力的で、効果的なコミュニケーションを取るための構文でした。

起立性調節障害を抱える家庭では親子喧嘩までは行かなくても、多少の言い合いになることはあるあるだと思います。親は子を想い、子は親に迷惑や心配をかけたくないと思い合っているのに、お互いにその時の感情をぶつけ、言い合いになったり、どちらかがうんざりして関係が悪化してしまうのは辛いです。

そこで、この構文を使うことで、まず相手との信頼関係を築き、衝突を最小限に抑え、有効な解決策を見つけていきたいところですね。

起立性調節障害 – 喧嘩にならない親子間のコミュニケーション

今回は、起立性調節障害の親子関係であるあるの状況を具体例に、〈事実-感情-要求〉の構文の使い方を考えていきたいと思います。

起立性調節障害を患っている本人が不安や焦りなどのネガティブ感情を抱くことは勿論ですが、親の心配や不安も計り知れません。子供への愛情が深いほど心配は増していき、冒頭でも述べたように、お互いに不本意ながら衝突してしまうことは起立性調節障害あるあるだと思います。

(私自身も、波風立たせず人間関係を保ちたいタイプなので、親子喧嘩は基本的にしたことがないのですが、高1の時に「いつまで寝てんねや!」と怒鳴ってきた父に対し、一度だけ発狂したことがあります。そんな私の姿を想像もしてなかったのでしょう、、、その時の父の表情😦と気不味い空気感を今でも鮮明に覚えています😨)

起立性調節障害を抱える子どもと親の間でのコミュニケーションは、お互いの感情や状況を想像し(他者視点の獲得)、相手への尊重を忘れてはいけません。

そこで「事実 → 感情 → 要求」の構文は、親子間での誤解や不満を減らし、協力的な関係を築くのに役立つかと思います。

OD親子にあるあるの状況への活用例

では、具体例を以下に示していきたいと思います。

子どもから親への例

状況:  

親が朝、学校に行けないことを責めるような態度をとる。

事実:

「朝、起きられなかったときに、『怠けてる』とか『また休むの?』と言われました。」

感情:

「その言葉を聞いて、私は信頼されていないんだなと感じ、悲しく、自分を責めてしまう気持ちになりました。」

要求:

「朝起きれないことは責めずに、『今日はどうする?』と聞いてもらえると、気持ちが楽になります。」

親から子どもへの例

状況:

子どもが学校を休むことについて親に説明しない。

事実:

「最近、学校を休むことについて、理由を教えてもらえないことが増えています。」

感情:

「私は、あなたがどんな気持ちでいるのか分からなくて、とても心配になります。」

要求:

「休む理由や、体調がどう感じているのかを少しだけでも教えてくれると、安心できます。」

子どもから親への例

状況:

親が体調不良を理解してくれず、予定を無理に入れようとする。

事実:

「昨日、体調が悪いと言ったのに、外出の予定をそのまま進めようとしていました。」

感情:

「そのとき、私は体調を分かってもらえないと感じて、とても悲しかったです。」

要求:

「次回からは、体調が悪いと伝えたら、予定を少し調整してもらえますか?」

 親から子どもへの例

状況:

子どもが調子のいい日にも活動を避けてしまう。

事実:

「昨日、調子が良さそうだと思ったんだけど、部屋からほとんど出てきませんでした。」

感情:

「私は、そのままだと体力がどんどん落ちてしまうのではないかと不安になります。」

要求:

「調子が良い日は、少しでも散歩や軽い運動を一緒にしてみませんか?」

双方向のコミュニケーション例

状況: 親が学校への対応で焦っているが、子どもはペースを守りたい。

親の側(親から子への伝え方):

事実:

「学校の先生から、今後の出席について話し合いたいと言われました。」

感情:

「私は、どうしたらあなたに無理をさせず、学校ともうまく連携できるか分からなくて、不安です。」

要求:

「一緒に先生との話し合いで伝えたいことを考えてくれますか?」

子どもの側(子から親への伝え方):

事実:

「学校のことを話し合うのは、体調が悪いときには負担が大きいです。」

感情:

「私は、そういう話が続くとストレスを感じてしまい、余計に疲れてしまいます。」

要求:

「体調がいいときに、話し合うようにしてもらえると助かります。」

親子間のコミュニケーションのポイント

親の視点:  子どもの体調や気持ちに理解を示しつつ、生活の改善に向けた提案を無理のない形で伝える。

子どもの視点:  自分の体調や感情を率直に伝えることで、親に適切なサポートを求める。

共通の目標:  「起立性調節障害」という難しい課題に一緒に向き合う姿勢を持つ。

起立性調節障害は、本人にとっても親にとっても難しく、頭を悩ませる問題です。

起立性調節障害によって不本意に親子関係が悪化するのは非常に寂しく、それだけは避けてほしいです。

その時の感情にとらわれて衝突するのではなく、事実-感情-要求の構文でお互いへの敬意や尊重を大切にしながらコミュニケーションをとり、起立性調節障害によって親子間の信頼関係が深まることを願っています。

ではまた!

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