〈起立性調節障害と向き合うコツ_CBTで希望を見つける名言集#5〉

はじめに

名言や偉人の格言というのはその人の人生が反映されていて面白いです。

人は苦境に立たされると視野が狭くなりがちですが、そこに新たな視点を与えてくれ、苦境を乗り越えるヒントをくれたりもします。

これまで、起立性調節障害(OD)に認知行動療法(CBT)は有効で、認知行動療法と名言は親和性が高いので、いろんな名言を知ることで回復のきっかけになり得ることを説明しました。

CBTの手法の一つに〈希望の言葉〉を集め、持ち歩くといった方法があります。ネガティブな呪いの言葉が脳内に流れたら、集めた希望の言葉を見返し、非機能的な(何も生み出さない)思考を、機能的な思考に修正していこうという訳です。

私自身も実践している方法ですが、自分で希望の言葉を生み出すのはそう容易いことではないので、以下に紹介する名言・格言にヒントを得つつ、自分が希望を抱ける言葉に編集し、自分のものにしていってもらえたらと思います。

「完璧を目指すのではなく、成長を目指せ。」ウィンストン・チャーチル

ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)

チャーチル(1874-1965)は、イギリスの元首相であり、第二次世界大戦中に国民を励まし続けた偉大なリーダーです。彼の人生は、多くの失敗と挫折の連続でしたが、それを乗り越えて成功を収めました。

ODに対しての有効性

以前、ODになる人の特徴として、過剰適応性格の傾向や成績優秀者が多いという話をしました。また過剰適応的な完璧主義は疲弊しやすく、自殺率が高いことにも触れました。そこで、この言葉は「完璧じゃなくても、少しずつ成長していけばいいんだ」と教えてくれます。

私も、完璧主義改善計画実行中の身でして、完璧にしようと考えすぎると、準備に時間をかけすぎて、実際の行動にはなかなか移せない現象にも陥ります。完璧に準備が整うことなどないので、やりながら修正するという考え方が重要になるな!と最近思い、気をつけています。

CBT的視点

「完璧主義(Perfectionism)」はストレスの大きな要因です。

「すべてを完璧にこなさなくても、一歩ずつでも進んでいればOK!」と考えることで、無駄なプレッシャーを減らし、行動に移しやすくなります。

「川の流れのように、焦らず、止まらず、進み続けよ。」ブルース・リー

ブルース・リー(Bruce Lee)

ブルース・リー(1940-1973)は、アメリカ生まれの中国系武道家・俳優であり、「截拳道(ジークンドー)」という独自の武術を確立したことで知られています。彼は武道だけでなく、人生哲学にも深い関心を持ち、多くの名言を残しました。

ODに対しての有効性

ODの人は、学業などに関して周囲から遅れをとっていると焦ることが多いと思います。しかし、体は言うことを聞かないので、焦りは募る一方で、ふとした瞬間にプツンと心が無くなったかのように、なんの感情も湧かずボーッとなることもあるかと思います。(私はありました)

そんな時にこの言葉は「自分ではどうしようもないことには抗わず、自己批判や自暴自棄になることなく、今できることを淡々粛々と行えばいい」という安心感を与えてくれます。

(「淡々粛々」は私の好きな言葉です)

また、「川の流れ」のイメージは、「無理に頑張るのではなく、自然の流れに身を任せながら前に進む」ことを思い出させてくれます。

CBT的視点

「過度の焦りや自己批判」を減らし、「現実的な目標設定」をすることが大切です。

ODの人は、

「早く普通の生活に戻らなければ」→ 焦燥感

「今のままではダメだ」→ 自己否定

といった思考に陥りやすいですが、

「焦らず、止まらず、進み続ける」 という考え方を持つことで、「今のペースでいい」「無理に変わろうとしなくても、少しずつ変わっていけばいい」と建設的な思考に変換できれば生きやすさにつながるかと思います。

ではまた!

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