はじめに
名言や偉人の格言というのはその人の人生が反映されていて面白いですよね。
人は苦境に立たされると視野が狭くなりがちですが、そこに新たな視点を与えてくれ、苦境を乗り越えるヒントをくれたりもします。
私は子どもの頃から好きなサッカー選手の名言をメモするなど、尊敬する人の頭の中（考え方）を探るのが好きでした。そして高校時代に起立性調節障害（OD）を経験し、人体生理学や心理学、認知行動療法（CBT）の本を読んでいくうちに、名言集めの有効性を知り、今もなお続けています。
私は、＜名言集め＞はODに有効だと考えますが、その理由は以下の２点です。
①身近な人からの話は説教臭く、素直に聞けないが、名言からなら言葉の意味を素直に解釈できる。
②ODにCBTは有効で、CBTと名言は親和性が高い（認知の再構成に役立つ）
①について
「身近な大人からのアドバイスはなかなか素直に聞けない！」はODにとってってあるあるだと思います。これは、
理解されていないんじゃないか🤔
回復を急かされているのか🤔など
言葉を純粋に受け取れず、その背景に何か意図があるんじゃないかと余計な思考があるからかもしれません。
＜私も高校生の時に「高校の時の１年や２年、大した遅れじゃないよ！」と助言（励まし）を受けました。今となっては本当にそうですね！！と思えますが、当時は「結局は他人事だから言えるんだよ！」と言うのが率直な感想でした。＞
しかし偉人の格言というのは、そのメッセージを私に届ける意図はなにか？などの余計な詮索が入る余地がないぶん、素直に言葉を受け取ることができます。
②について
起立性調節障害（OD）に認知行動療法（CBT）は有効（小児起立性調節障害診療ガイドライン改訂第３版）で、CBTと名言は親和性が高いので、名言を集めることでODの回復の一助になる可能性があります。
CBTでは認知の再構成が重要とされますが、そのためには物事をこれまでに持っていなかった色んな視点から検討することが要求されます。そこで役立つのが名言です。冒頭で述べたように名言は真理をついたような新たな気付きを与えてくれます。偉人の力を借りて、色んな視点を持てるようになることを目指しましょう！
また、実際にCBTの手法の一つに〈希望の言葉〉を集め、持ち歩くといった方法があります。ネガティブな呪いの言葉が脳内に流れたら、集めた希望の言葉を見返し、非機能的な（何も生み出さない）思考を、機能的な思考に修正していこうという訳です。
私自身も実践しているのですが、自分で希望の言葉を生み出すのはそう容易いことではないので、以下に紹介する名言・格言にヒントを得つつ、自分が希望を抱ける言葉に編集し、自分のものにしていってもらえたらと思います。
「進むのをやめない限り、どんなにゆっくりでも進んでいるのだ。」ソクラテス
ソクラテス（Socrates）
ソクラテス（紀元前469年～紀元前399年）は、古代ギリシャの哲学者であり、「無知の知」という考え方を提唱したことでも有名です。
ODに対しての有効性
ODの人は、なかなか回復しないことに焦りを感じたり、「みんなは普通に学生生活を過ごしているのに、自分は遅れている」と感じてしまうことも多々あると思います。しかし、この言葉は、他者との比較ではなく、自分が正しい方向に少しでも近づいているのかに目を向けることが重要で、ゆっくりでも前進しているのなら、「たとえ遅くても、問題はない」と気づかせてくれます。
CBT的視点
無駄に心身をすり減らさずに生きるには、「他人と比較しすぎる思考（Social Comparison）」を修正することは重要です。「例え遅くとも、自分のペースで進んでいるなら、それが重要。」と考えられるかが鍵となり、ソクラテスの言葉はそれを想起させてくれます。
「今日できることは少なくても、何もしないよりずっと価値がある。」アリストテレス
アリストテレス（Aristotle）
アリストテレス（紀元前384年～紀元前322年）は、先ほどのソクラテスの弟子であり、西洋哲学の礎を築いた人物です。自然学、倫理学、政治学、文学など、幅広い分野で活躍したことから「万学の祖」と称されています。
ODに対しての有効性
ODを患っていると、日や時間によって体調にかなり変動があり、体調が優れない時は何にも出来ないことが多々あります。また、多少ならできるかな🤔と思っても、「こんなの意味があるの？」と感じることも多々あります。
私も高校時代、受験勉強をしないといけないのに体を起こしていられない状況で、ただただ学習動画を流し続けていることがありました。度々こんなの意味あるのか？という気になりましたが、何度も同じ動画を流し続けたおかげで、耳で暗記していたことも多くあり、無駄じゃなかったことを実感しています。この方法が効率的かどうかは別の話ですが、その時にできることをできる範囲ですることの重要性を学びました。「今日は何もできなかった…」と落ち込む日も多くあるかもしれませんが、「小さなことでも意味がある」と考え、何かしら行動できるように心がけたいです。
CBT的視点
認知の歪みの一種には「全か無か思考（All-or-Nothing Thinking）」があります。「100%できなければ意味がない」ではなく、「1%でもできたなら、0よりずっといい」と考えられるかどうかが、次の行動に影響するんです。
ではまた！
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